2009年6月19日金曜日

Xという名の男


"Wherein all the power used be centered in Europe, it's not centered in Europe anymore. It has divided itself up and is centered in different parts of this earth today. Much of it is in Asia, much of it is in Africa. It has shifted. And as the people in Africa and Asia get some power of their own, they get a mind of their own. They start seeing with their own eyes and listening with their own ears and speaking with their own mouth, and coming to definitions from their own brain. The European definition now isn't necessarily the definition. The European yardstick now isn't necessarily the yardstick. And what the European calls racialism isn't necessarily racialism. And what the European calls brotherhood isn't necessarily brotherhood."

By Malcolm X


マルコムXという男がいた。
かつて、奴隷だった頃、黒人たちは主人から姓を頂くか主人の姓をそのまま自分のものとするかどちらかだった。現代の黒人の姓も出自はそこにあるらしい。なので、マルコムXは自分自身を姓のない「X」と名乗った。

上の引用は彼自身の生前の言葉です。
「かつて権力はヨーロッパを中心に存在していたが、今はそれはアジアやアフリカに移りつつある・・・ヨーロッパ中心の価値観は必ずしも中心的なものではなくなってきている・・・」

オバマは「変化」を口にして大統領になったが、真の「変化」を口したのはマルコムXであった。真に変化を求めた結果が暗殺でありました。時代が変わっても、マルコムXは決して大統領なんかになれるはずがなかった。だからこそ、彼の言葉は今もなお予言的です。
ちょうど一ヶ月前、五月十九日が彼の誕生日でした。

確かに、アメリカでは彼の死後、公民権運動は成功し黒人たちの地位も向上したのかもしれません。でも、本当にアメリカは変わったのだろうか。そして日本は戦後そのアメリカとどんな関係を維持してきたのだろうか。
マルコムXという存在を、遠い異国の過激なテロリスト、黒人の権利だけを主張するブラック・パンサーの首謀者などという見方ではなく、我々の最も身近な人間、帝国主義的な社会構造に反発する隣人として、僕は見たいと思う。

若い頃、ギャングの手先になり刑務所にぶち込まれ、そこで書物と出逢い、徹底的な学習を行い自己変革を極めた男。それがマルコムXです。
学ぶということが、単に資格を得ることだけだったり、入学を許可されることだけだったりするようなものではなく、人生と向き合うためのものであればいいなぁ、と思います。マルコムXからわかることは、学ぶことが、実は恐ろしいまでの自己変革の契機であるという事実です。
その恐ろしさ、自分が変わってしまう恐ろしさを、肝に銘じながら学び続けたいものです。
その意味では、学校の成績が良いなんてのは、ぜんぜんどうでもいいことなんだよな。
むしろ、身に染みついた意味不明の下らない長年に渡る既成の価値観からの脱出こそ、学習の主目的だと思うな。

0 件のコメント:

Powered By Blogger