2009年6月24日水曜日

オープニング☆COLDWIND


木枯し紋次郎:1972年1月1日放送開始(フジテレビ系)

亡くなった市川崑監督は「緑」の魔術師だった。
ほとんど、どの作品を見ても、竹林、防風林、山の森、裏山の林・・・といった風になびく緑の風景が描写されていました。
僕は、どちらかというと、ドラマ性よりも、その映像の優美さに惹かれた監督だったんですね。

で、忘れられないのがテレビシリーズ『木枯らし紋次郎』。
リアリズム時代劇でしたから、斬り合いのシーンの格好悪いほど無様な姿や、雨の中や田んぼで泥だらけになりながらの殺陣など、魅力を言い出したらキリがないのですが、一番の目玉は何と言ってもオープニングの素晴らしさでしょう☆☆☆

遠景とアップ、動画と静止画像、そして緑の様々なバリエーションの組み合わせ。
小室等の名曲「誰かが風の中で」を背景に、紋次郎が動く。

このオープニングシーンを観るために、毎週テレビの前に座った想い出があります。
岩手の田舎で、緑なんか見飽きているはずなのに、何故かブラウン管に映し出された風景と紋次郎の旅する姿に、懐かしさと、孤独と、一人旅のヒッピーな感じに、憧れに似た思いを抱いたのでした。イージーライダーのバイク旅に通ずる「粋」があったんだな。
中村敦夫さん演ずる紋次郎の存在感と佇まいが、七十年代そのものでした。

最近、リメークされたそうですが、やっぱりオリジナルがいいな。
ファンとしては。


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