2009年6月27日土曜日

帰ってきた役者馬鹿


Mickey Rourke: The wrestler

最初、スクリーンで観たときは素晴らしい俳優だなぁ、と本当に思いました。
映画「ランブルフィッシュ」の寡黙な兄貴の姿は今も目に焼き付いています。

そして、しばらくして、今度目にしたのは日本のボクシングのリングの上でした。
シースルーの情けないパンツをはいて、いわゆる「猫パンチ(?)」をくりだして情けないメインエベントをやっておりました。君は良い俳優だが、ボクサーではない。などと、思いながらブラウン管の中の彼を観て、もう駄目だな、と思っておりました。

案の定、やがて、僕の好きな作家のチャールズ・ブコウスキーを「バーフライ」という映画で演じ、自己満足的な演技にうんざりしたのを憶えています。

それから、詐欺師に騙され、全財産を失って、整形に失敗し、すべてが裏目に出、すべてを失い、彼は消えていきました。

そして、すっかり人々に忘れ去られた頃、美しかった容姿も醜く変わり、まったく別人として彼は現れました。

ミッキー・ローク。

復活は数年前の「シン・シティー」の怪演からはじまったと思います。
そして、「ドミノ」で実在した主人公の女性をサポートする力強いオヤジを演じエンジン全開。
更に、今「レスラー」という映画で彼の最高の演技を観ることができます。

人の生に、無駄なものはなにひとつない。
ミッキー・ロークを観て、そう思います。
落ちぶれた、ボロボロのレスラーを、彼はまさに自分の姿と重ねて生きました。
随所にそれが見えるんです。

娘に、「おまえにな、お前に、オレァただ、嫌ってほしいんだよ・・・俺のことを」と言いながら、涙が溢れてくる。

屈強な、我慢に我慢を重ねている男の涙は、最高です。
オッサーンのいじらしさに心が動かされます。
良い作品と出逢っていると思うよ、彼は今。

帰ってくるのを待ってたよ!
これだから、人生ってのは面白いなぁ☆


3 件のコメント:

キロヒ さんのコメント...

レスラー観ました!
とても感動しました。

ミッキー・ローク、男としてカッコいいですね。人生って、お金や名誉じゃないなって思わせてくれる映画でした。

最近はマイケルがなくなって、とても悲しかったのですが少し元気が出ました。

火山さんはマイケルには興味ないですか?

火山 さんのコメント...

ミッキー・ロークが光ってきたのも、かつてのようなイケメンの自分に酔えなくなってからですね。
たぶん、美しさという点からいえば、モデルさんと俳優の仕事は、まったく違うものです。
それぞれ厳しいルールを背負っていますから。
従って、モデル的な「美」と俳優的な「美」の違いに気がつくとそれぞれの仕事が豊かになるような気がします。
ミッキー・ロークは、本来彼が望んでいた俳優に、今やっと近づいているような気がしますよ。だから、彼の演技に泣けるんです。

それから、マイケルですが、彼と僕は同い年なんですね、で、八十年代を同じ年代として過ごして、彼が黒人音楽の位置を更に引き上げる立派な仕事をしたというのも実感としてあるんですが、同時にあの時代のバブルの申し子というイメージが僕の中にはあるんです。東京ドームも仕事がらみで観てるんですが、ショーの演出の細部にわたってウソくさい違和感が僕の中にはありました。

それと、詳しい事情は知る由もないのだけれど、何となくですが、ほんとに何となくですが・・・彼、実はまだ生きてるような気がする・・・それほど正体不明の人生になってしまったんだな。
ただひとつ、これでまた昭和から繋がる時代が、またひとつ終わったんだなと思います。

なので、申し訳ありませんが、ブログではあえて彼に関しては語ることを控えたいと思っています。

またコメントお待ちしていますね☆

キロヒ さんのコメント...

>モデル的な「美」と俳優的な「美」の違い

これはとっても興味深い話しだと思います。

マイケルが生きていたら本当に嬉しいです。
火山さんは、とてもお忙しい日々を過ごしていらっしゃると思うのですが、もしお時間がありましたらマイケルの『heal the world』を聴いてみて下さい。YouTubeでも聴けると思います。

メディアでは彼に関してのゴシップ的な報道や記事が多く、例えば白人に憧れていたと、ありますがマイケルは尋常性白斑という病気でした。大衆は時に現象面だけで物事を視てしまう事があり、それは僕にも言える事でマイケルはスターな故に、もっともそういう面で苦しんだアーティストだと思います。

何が本当で何が嘘なのか、たまにわからなくなったり、それは現実の中でもあるんですけど、音楽は嘘をつかないと信じたいです。
ロックもブルースもソウルも。
ジャンルの原点でやっている音楽はそうだと思いたいです。
でも日本ではモヒカンやロン毛、タテューはファッションの一つになりつつります。
ゲバラのTシャツもファッション。

それが面白かったり、人間らしい愛嬌を感じたりする時もあるんですけどね。

火山さんの文章はとても強いと思います。
僕はそこが好きです。

これからも楽しみにしています♪

Powered By Blogger