2009年6月30日火曜日

吉祥寺ストリート


おれは六十で

君は、十六だが、

それでも、君は

おれのお母さん。


おお、おれの小さな耳掻きさん。

いとしいちりれんげ。


海辺の白砂の

しめつたはだを、

さざなみがよせ

さざなみが退く。


さざなみが退き

さざなみがよせ、

いつかは、君はゐない。

いつかはおれもゐない。


ありし日の君の

その頬は菫いろで

くちびるのいろは白


君のおへその蜘蛛の巣から

はるばるきこえてくる

それは

むかしの子守唄。


君のなげだした両ももの

おくに

なにがあっても

どうでもいい。


ー 金子光晴「こころのうた」より


吉祥寺は、西荻窪とならんで、僕のテリトリーです。この前の舞台では「ニシオギ」を描きましたが、いずれ吉祥寺も大切な場所として描くつもりでいます。
「さかえ書房」というサンロードにある古本屋は、東京に出てきたときからよく通った店で、詩人の金子光晴さん直筆の看板が目印。
吉祥寺には熱い心の詩人がいて、作家がいて、フォークシンガーがいて、ロック喫茶があって、公園があって、うまい焼鳥屋があって、インド料理もうまいし、コーヒーもうまい。
東京で暮らしはじめた僕らには吉祥寺は確かに輝いていた。
井の頭公園で友達と金子光晴の詩を声に出して読んだのは、もう三十年以上前になる。
そして、だいぶ景色は変わりましたが、それでも吉祥寺には今もなお吉祥寺ストリートがあって、若者たちが歩きすぎていく。

そんな路上で歌うのが「森恵さん」。

アコースティック・ギターに伸びやかな声がすばらしい!!
都内のいろんな路上に出没しているそうですが、そして今や路上以外のライブも、でも吉祥寺が勝手に似合うような気がしています。ぼくはね。
You Tubeにアップされた彼女の路上ライブをここに転載します。
吉祥寺ストリートはどんなライブスポットにも負けないステージです☆

明日も僕は吉祥寺を歩くから。
そして、いろんな思いをかきたてるぜ!!
吉祥寺ストリート。
そこで過去は現在と交わり、そこが、僕らの「位置」なんだと思う。

『位置』

『運命にさよなら』

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