2009年6月11日木曜日

オリオン座のこと

名画座、といえば僕の中では、一関の「オリオン座」になる。

池袋の文芸座や文芸地下、高田馬場の早稲田松竹、大井武蔵野館・・・色々あるけど、何はともあれ、僕の中では、岩手の一関の駅前にかつて在った洋画専門の名画座「オリオン座」こそがナンバー1の名画座だな。

名画座というのは、ロードショーが終わった映画を何本かまとめて上映してくれる低価格の映画館のこと。ビデオもDVDもない頃は名画座で何本も梯子して観る日々がありました。

北海道の夕張映画祭のPVを発見。
田舎町にかつてあったであろう名画座の風景を音楽で表現しています。

こんな名画座を通り過ぎて、僕らは今ここにいるんだよな。

今日はこれから講義です。
ピーター・ブルックの概念「なにもない空間」(The Empty Space)について語ろうと思っていますが、それにしたって、僕のなにもない空間は、あのオリオン座の空間だったかもしれない。
夏は便所の扉が壊れているものだから、便所の匂いが劇場に充満して脂汗が出てきました。そして冬になると、スクリーンのすぐ脇に穴が開いているものだから、雪が降り込んで、映画が終わった頃にはスクリーンのすぐ下に雪がうず高く積もっておりました。
夏は暑く、冬は寒い映画館。
僕のなにもない空間は、確かに「オリオン座」だったと思う。
そしてそこには豊かな「夢」がありました。

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