2009年6月9日火曜日

天国への歩み

"the family of man."

William Eugene Smith (December 20, 1918, Wichita, Kansas – October 15, 1978, Tucson, Arizona) was an American photojournalist known for his refusal to compromise professional standards and his brutally vivid World War II photographs.


従軍カメラマンとして数々の戦場の兵士の肖像を撮り、日本では水俣とそこで苦しむ人々を写真に定着させた写真家、それがユージン・スミスです。

この人の人生のメイン・ストリームである報道写真も良いのですが、僕が惹かれるのはむしろ、彼の家族を撮った写真集「the family of man」なのです。

この「天国への歩み」と題される白黒写真を見る度に不思議な気分になります。
というのも、昔、まだ小学生だった頃、彼の写真集で見たこの写真を、小学生の僕はどこか幻想の風景、まるでアリスが不思議の国へ向かうかのような気分や感覚で眺めていたような気がします。

そして、子供が生まれると、ほとんど同時期に、我が家のトイレにこの写真を飾ったのですが、以来「この写真の子供たちみたいに歩き出すのはいつかなぁ?」とか「なんかだいぶ写真に近づいてきたなぁ・・・でもまだまだだよぉ」なんて思っているうちに、いつのまにかこの写真の子供たちをはるかに追い抜いてしまっている我が家の子供たちがいます。

変かもしれませんけど、この写真が本当に好きで、しかもトイレにあるもんだから、毎日眺めてんですね。今も。
でもあきないんだなぁ。。。。

ここには、誰もが恐らく共通して持つ親の視点が在るような気がします。
人の子の親になれたというのは、本当に奇跡的で感謝すべきことだなんだよな、と思っています。
「天国への歩み」
こうして、僕たちは生まれたときから、確実に一歩また一歩と「天国」へ向かっているのでしょう。

最近読んだ韓国の小説「カシコギ」の中の言葉。

あなたが空しく生きた今日は、

昨日死んでいった者が、

あれほど生きたいと願った明日



忘れたくない言葉です。

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