2009年7月7日火曜日

なにげに直球だッ☆


『童貞。をプロデュース』(2006/監督:松江哲明)

平成青春残酷物語といったこのドキュメンタリー映画は、実に良い感じにホノボノとズレまくっている。いいなぁ!おもしろい!!
登場人物である二人の青年、童貞1号の加賀君と童貞2号の梅澤君には、現在無視されている良い意味でのイケテナイ感があって最高なんだな。
駅や道やコンビニの前で、ベタベタイチャイチャのチャラいカップルが溢れ出してどれぐらい経つだろう。実際は、そんな奴らばっかりじゃないことはよくわかってはいるんだけど、どうもチャラオばかりが目立っている昨今であります。

みうらじゅんの言い草じゃあありませんが、男はみんな童貞からはじまるんです☆
当たり前だ。
チャラオたちがそんな「原男子」の存在を封殺してしまうんだよ。かわいくないなぁ。
童貞にもいろいろいるわけで、童貞1号の加賀君みたいに風俗汚れ視線みたいなものに押しつぶされそうになっている男子もいれば、女性神格化から抜け出せないでいる童貞2号の梅澤君みたいな男子もいる。
この男子たちのズレは正しい。もともとみんなどっかズレてんですから。
その意味では、この二人はまことに典型的な例として観ることができるんです。

松江哲明監督の姿勢である、ドキュメンタリーは嘘をつくというのは、確かな正しい立ち位置であって、このドキュメンタリーを名乗る作品ですら、演出と編集を経た劇場作品であることは忘れてはなりません。しかしながら、それが悪いということではないのです。むしろ、登場人物に好感と共感を持って僕は観ることができました。ある種の人物に対する突き放しがあったからかもしれません。

この「情けなさ」は、なにげに直球だと思うんです。
男は、みんなどこか、情けなくも愛らしい。
チャラチャラ格好つけても無駄ですね。
無駄な抵抗はやめて、しっかりとズレを受け入れよう☆
あっという間に、人生が楽しくなるから。

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