2009年7月5日日曜日

ギンズバーグから

Allen Ginsberg (1926 ~ 1997)

先日、大学で詩や小説の朗読について質問を受けました。
最近では、日本でも、ねじめ正一さんをはじめ、詩人や作家の中で自らの作品を朗読する人たちが現れてきています。僕は質問してくれた学生君に「アレン・ギンズバーグ」のお話しをしました。講義のはじまる直前だったので、ほんのちょっとさわりだけでしたが、ギンズバーグを読めよ、ではなく、ギンズバーグを聴けよ、と僕は彼に言ったのでした。

朗読する詩人の中でも、かつて目で見て耳で聴いた本物の朗読は、アレン・ギンズバーグの朗読でした。
このビート詩人は、初期はジャズと一緒に詩を朗読したのですが、やがてロックと共に朗読するのを好み、ポール・マッカートニーともセッションしています。

あらゆる表現行為は、音楽に向かうんだよ。
よく、なんで演劇なのにロックなんですか?という質問も受けるのですが、これはとっても大事な部分なんです。つまり、音楽のない表現はないのだから。何かを表現する限り、それが言葉であれ絵であれ身振りであれ、すべては音楽の要素から離れられないのです。
ギンズバーグはそれを身をもって体現していた詩人でした。
人間の活動は音楽で始まり、音楽で終わる。

僕が実際に客席に座っていた1988年のギンズバーグの朗読セッションのビデオがアップされていました☆
信じられません!僕の記憶の中だけに存在していたあの日のギンズバーグのセッションをもう一度観て聴くことができるなんて!!

そして、彼が亡くなったときの映像も。
言葉を使う詩人の彼から、僕は音楽の持つ本質的なパワーを教えて頂きました。
そう、演劇も言葉ですが、同時に深くどこまでも音楽と結びついている。
僕がロックする、と言うとき、それは単なるジャンルとしてのロックじゃないんだな。
この胸で脈打つ鼓動そのものが、音楽なんだと言いたい。
死んだ言葉で小綺麗に語るよりも、不細工でもいいから脈打つ鼓動の聞こえる言葉を発したい。
だから、ロックなんだと思うよ。

Allen Ginsberg in Japan 1988


Allen Ginsberg

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