2009年7月19日日曜日

されど私の人生

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13976040_v1224555306 posted by (C)コックン

斉藤哲夫:日本のボブ・ディラン(だと、僕は思っている)

(生年月日)1950年4月4日生まれ。
(出身地)埼玉県鴻巣市
(血液型)AB型
東京・大森で大衆食堂を営んでいた両親の一人息子。
現在は東京・町田在住、妻と二人の娘の父親。


先日、吉祥寺の歌をご紹介しましたが、斉藤哲夫さんというフォークシンガーについて、語っておこうと思います。

年齢は僕より八歳年上。でも、妻と二人娘の父というのは僕と同じ境遇ですね。

「されど私の人生」という曲があります。
吉田拓郎さんが歌っていて、長いことナイーブな僕は吉田拓郎さん自身の曲だと思い込んで中学、高校時代を過ごしてしまいました。ですが、それは間違い。しかも、吉田拓郎さんの方はあるMCの間違いでいつの間にか「されど我が人生」という誤ったタイトルが流布されてしまうといういきさつもありました。
吉田拓郎による「されど私の人生」も力強くシャウトして聴き応えがあるのですが、本家である斉藤哲夫さんの歌はやはり胸を打つものがあります。
これぞ青春の一曲だと思います。
初期の頃の斉藤さんの曲想は限りなくボブ・ディランを意識したもののような気がしますが、それでも、彼独自の人生観世界観が表現されていると思います。それは今のこの時代にも通ずる個人的な事柄の普遍化とても言うべきものかもしれません。

個人の些末な経験のしっかりとした観察と反芻によって、世界に広がる扉は開かれる。
この目の前のありふれた街の風景の、ありふれた人間の行為の、その向こう側に、無視することのできない強い激しく息づく人間の普遍的な営みがある。
以前も書いたように、世界は「いまここで」その扉を開くのである。

そんなことを思いながら彼、斉藤哲夫さんの曲に久々に耳を傾け、その魅力にすっかりやられています。
昔聴いていて、懐かしいとか、そんなんじゃないんだな。
今だから一層良くわかる、そんな感じ。

彼がフォークの哲学者と呼ばれようが、文学するフォークシンガーと呼ばれようがそんなことはかまわない。
そんなレッテルよりもむしろ、その言葉の持つ普遍的な意味に注意を傾けたいと思う。

僕は、今のこの時代を、どこか新たな「ニヒリズムの時代」と見ています。
なにかすべてわかってしまったかのような錯覚に陥っている時代。実はなにひとつわかりはしないのに。熱くなることを冷笑する時代。人一倍熱くなりたいくせに。
ずるいとか調子がいいとかいうより、むしろ意地の悪さが目立つ時代。自己保身のためにあからさまに他人を踏み台にする時代。傷つくことを恐れるあまり、無関心を装いながら、他人の評価に汲々とする時代。
馬鹿であることを恥じなくてもすむ時代。いや、むしろ馬鹿を演じなくては何事も動かなくなってしまった時代。馬鹿を演じるという前提で、本質的な己の馬鹿とは向き合わなくてもすんでしまう時代。。。。。

そんな時代だからこそ、斉藤哲夫の音楽は大変意味があり、必要性を増しているだと僕は思う。
今、聴くべき曲はこれだ☆
こんな音楽を聴いて、生き直さなくては。

されど私の人生


悩み多き者よ


吉祥寺

3 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

斉藤哲夫さんの音楽について書かれたブログ興味深く拝見させていただきました。とても共感できました。
熱くなることを冷笑する時代との記述。そうかもしれないと思います。生きにくい時代、息苦しさを感じ、そんなときに偶然30年ぶりにふれた斉藤さんの音楽に若いとき以上にはまってしまいました。
そして今、私は時代に逆らって思いっきり熱くなって生きようと思っています。
彼の音楽をトコトン応援してみようとしています。手始めに11月にNPO法人と組んでコンサートを企画しました。素人なので手探りですが、やっとコンサートの告知段階までこぎつけました。
徳島県の田舎町でのコンサートです。なのに席数は480席。当然ですが、彼のファンだけで埋まる数ではありません。友人知人に声をかけ、足を運んでもらえるよう頑張っています。
私はむしろファンじゃない人たちに来てほしいのです。
彼の歌を知らない人たちに知って欲しい。売れてはいないけど、こんなにいい歌を歌っている人がいるんだということを!
彼のあの声が健在なうちにできるだけ多くの人に生の歌声を聴いて欲しいです。

火山 さんのコメント...

Keiko様

コメントありがとうございます☆

すばらしいですね!斉藤哲夫さんのコンサート!
僕は時代が一巡りしたんだとも思っています。かつて耳を傾けたことや心を傾けたことをもう一度取り戻そうとしてもいい時代なんだと思う。
最近、若い人だけじゃなく、いい歳をした中年でさえも、「それって昭和だね」という表現をネガティブな意味で使い始めているのが気になります。

そんな簡単に水に流すなよ!って気がします。
実は戦争や学生運動すらそうやってこの国では水に流してきた。「もうそんな時代じゃないんだから・・・」と言いながら。

だからこそ、時代に逆らうこと、時代に抗うことをこの時代は求めている、と思うんです。冷たい批判や冷笑や無視に対し、簡単に頭を垂れて頷いて受け入れてしまう前に、本当に欲しいものはなんだ?と己に問いかけたい。
その答えこそが、今を形作るかけがえのないものなんだ、と僕は思います。

コンサート成功することを心から祈っております!
斉藤哲夫さんには直接ご面識はございません。ですが、よろしくお伝え下さい。遠くからではありますが、応援しています☆
そして、僕自身、斉藤哲夫さんの音楽を僕の芝居で使わせて頂きたいと思っています!

Unknown さんのコメント...

火山様。
本当に時代が一巡りして、こんどこそ斉藤さん自身が納得のいく楽曲で世間の評価を得ていただきたいと思います。
彼の素晴らしい曲の数々が、このままだと知られないままに終わってしまう。それがとてもいやです。そうしないために自分のできることをしていきたいです。
30年ぶりに斉藤さんに再会できたのは神様がそう仕向けたような気がしています。偶然の出来事のひとつが欠けても再会できませんでした。
「神様が会わせてくれた。」とご本人を前に言ってしまい
「オーバーな。」と居あわせた人たちみんなに笑われてしましたが・・・

コンサートを成功させるためにできる限り頑張ります。火山さんの応援とてもうれしく勇気がわきました。

ありがとうございました。

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