2009年4月21日火曜日

灰皿について

Anton Pavlovich Chekhov、1860年1月29日 - 1904年7月15日)

ブログというのは不思議なもので、個人的な日記のふりをしながら、外に向かって発信しています。ですが、語られている内容はブログによって種々様々。

最近ブログの機能について考えました。

昔、劇作家のチェーホフは新聞に短編小説を連載していて、勿論人気作家だったのですが、彼が何でも書く、と言ったのを思い出します。

何でも書く。

それは、たとえば、目の前に灰皿があったとする。ならば、すぐに灰皿について短編を書くということです。考えずに躊躇せずに書く。灰皿について書く。

ブログっていうのも、なにかそんな類のものかもしれません。

構えることなく、目の前のモノや出来事を、まずは書いてみる。勿論他人のプライベートを公表するようなマネはしてはなりませんが、まず書き出すというのはとても良いことだと思っています。

外に向かって思考を公表しつつ、内に向かって思考を掘り下げる。
やがて、そうしたブログのメモの集積の中から、新たな作品が生まれ出てくるような気もします。

チェーホフが言ったのは、書きたいという本能に従え、ということだったのかもしれませんね。
そして、その衝動を抑えず、とるに足らない「灰皿について」まず書き出すこと。

チェーホフの戯曲も、ブログを書く感覚の延長上にあったのでは?と考えるのは、考えすぎでしょうか?

チェーホフの短編集を読むと、十九世紀から二十世紀にかけて書かれたブログのような気がしてなりません。

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