2009年10月20日火曜日

ラストショー

The Last Picture Show:1971

1971年に公開されたピーター・ボグダノビッチの「ラストショー」は原題を「The Last Picture Show」という。

米国南部、テキサスの田舎町の青年達を描いた映画です。
1950年代を舞台に、第二次大戦が終わったのも束の間、米国は朝鮮戦争へ出兵し、若者たちもバラバラになっていきます。
ちょっとアメリカングラフィティーに似た感じがありますが、この映画の方がずっともの悲しく、未来が見あたらず彷徨う若者の心理を抉り出しているような気がします。
かつて、このブログでも取り上げた「昨日、悲別で。」という倉本聰さんのドラマがありましたが、あのドラマはどこか、このラストショーが発想のきっかけになっているのではないかなと思っています。どこか共通したものがあるんです。

町で唯一の映画館が閉まるまでを描いた物語。
最後の上映作品はジョン・フォードの「赤い河」。西部劇の傑作です。赤い河の最後の上映で映画館がなくなってしまったとき、確実に若者たちの住むこの町は変わっていく。
僕の暮らした一関という町にも、かつて「オリオン座」という洋画専門の映画館があって、今はもうないのです。ごくありふれたエピソードなのだろうけど、だからこそ、胸が痛む強烈なイメージがこの映画にはある。

智恵遅れの少年がいつも熱心にホウキで通りを掃いているのですが、砂を運ぶ風の寂しさ。

白黒の光と影が最大の魅力だと思います。
昔、ハヤカワ文庫で小説も出ていましたが、もう絶版かな?
小説もよかったですよ。

The Last Picture Show Movie Promotional Clip


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