2009年9月3日木曜日

日本病という病

「第一に、日本病の感染者は、自分が日本病の病に罹っていても、容易にそれと気づかないという傾向が強いこと。(感染意識の欠如)
第二に、日本病の感染者は、全てにおいて受動的な心的傾向を伴うこと。 
(積極的行動の欠如)
第三に、日本病の感染者は、極端に自分が突出を恐れ、出る杭は打たれるという教訓を心に刻んでいること。(顕著な中産階級意識)
第四に、日本病感染者は、封建時代の権化とも言うべき、徳川家康の信奉者が多いこと。(見ざる・言わざる・聞かざるの思想)
第五に、日本病感染者は、恥という日本文化の根底にある心的傾向を務めて無視するか、完全に忘れ去っていること。(恥の文化の喪失)
第六に、日本病感染者は、政治とは世襲的な労働であり、選挙において、自分が誰に投票しようと無意味であると諦念の気持を持っていること。(政治的諦念)
第七に、日本病感染者は、依然としてアジア諸国に対する優越意識を持ちながら、アメリカを始めとする欧米先進国に対しては、卑屈な劣等意識を引きずっていること。(プチ?脱亜入欧意識)
第八に、日本病感染者は、日本の欠点ばかりを探して、長所を見ようとしないネガティブな心的傾向を強く持つこと。(ネガティブな傾向)
第九に、日本病感染者は、自分がリスクを負って先頭に立つことを極力避ける傾向があること。(冒険精神の欠如)
第十に、日本病感染者は、目の前で犯罪が起こっても、それがテレビの中か、テレビゲームの中で起こっていると考えてしまう傾向があること。(テレビ中毒症)
第十一に、日本病感染者は、他人事(ひとごと)意識が強く、たとえ親子友人間にあっても、すべてにおいて他人のことで関与を避ける傾向がある。(他人事意識)
第十二に、日本病感染者は、物事の本質をブランド化する傾向が強く、かつブランドを神の如く神格化する傾向と、それに時として過剰依存する傾向がある。(ブランドへの過剰依存意識)

以上の特徴から、日本病を、一般的にこのように定義することが出来るのではないだろうか。日本病症候群は、日本人の2000年前後の心の傾向であり、それは国家としての日本が、バブル経済の後処理に結果として失敗したために、経済の低迷が十年にも及び、その不安と自信喪失から来る否定的な心的傾向である。しかもそれは極端な「他人事意識」を伴った鬱病的な傾向である。 」
義経伝説ホームページより引用


現代の日本という国、あるいは日本という文化が抱える問題は、上記の引用文のように確かに要約できるかもしれません。
民主党が圧勝した今回の選挙を手放しに悦ぶことはできない。
メディアは喧伝しているように、各党の違いというのはそれほど明確なものだったのだろうか?これまで自民党の一党独裁は行き詰まったので、この辺りで政権交代すれば流れが変わるというのは本当だろうか?民主党の支持母体を実際に意識している人がどれだけいるのだろう?民主党が自民党と違って官僚としがらみが一切ないと本当に言えるのか?家庭に対する援助金交付と言いながら同時に扶養控除の全廃というのはいったい何を意味しているのだろう?
こうしたごくわずかの疑問すら曖昧なままで進み続けるこの日本という社会を「日本病」と呼んだのは、他でもない民主党の石井紘基衆議院議員だった。
ただひとつ残念なのは、彼がもうこの世の人ではないということだ。2002年10月25日に自宅前で刺殺された。

生前彼は日本の制度の持つ本質的な転換、つまり議員と官僚と企業ががっちりと組み合って動かなくなり、彼らの利権だけで法制度すら決まっていくという現状を阻むものは、自民党だけでなく、民主党内部にこそ存在すると言っている。
そして案の定、彼の亡くなった後、彼の収集した膨大な資料を民主党は決して開封し検証することはないのである。お嬢さんの石井ターニャさんが整理するのみである。

全世界的に政党政治は死につつある。これはあえて極論を言っているようだが、事実だと思う。事実その傾向が明白になりつつあるのではないだろうか。
かつて敵対している風を装っていた「右翼」と「左翼」、もしくは「資本主義」と「共産主義」も、実体は「全体主義化」へ向かうという点では、違いがない。むしろ、一部の人間の利益のみを追求するという点で、同じ価値観を共有しあっている。
米国における「共和党」と「民主党」の違いも実はなにもない。日本の「自民」も「民主」も同じ。
見た目上、対抗するものを配置するというスタイルは、ヘーゲルの弁証法以来、欧米のステレオタイプのスタイルである。「冷戦」はその典型的な例であったし、今やそれが「テロとの戦い」に姿を変えただけなのである。目に見える違いは、違いではない。

生前の石井紘基さんのドキュメンタリーがある。
彼なりの鋭い日本病の本質が述べられているような気がするのだが、どうだろう?
こういう方のいない民主党が与党になったというのが、僕は気がかりなのである。
日本病は克服されているのだろうか?

石井紘基 日本病の正体

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