2009年9月24日木曜日

比較するということ

本日より、大学にて後期の講義を開始します。

今日が、講義初日!!

講義のテーマは、相変わらずあれこれ考えていますが、前期語りきれなかった「共感論」をまとめようと思います。それをやっぱりいろいろと比較対照しながら検討を加えるということになるでしょう。なにしろ「比較演劇学」などという講義タイトルがついているので。

比べてみてはじめて、自分の立ち位置も含め、いろいろと見えてくるのではないでしょうか。

たとえば、ここに昭和10年頃(1935年頃)の東京のカラー映像があります。
そして、もうひとつ、戦後間もない頃(1945年頃)に撮影された東京をはじめとする爆撃で破壊された日本の都市の映像があります。
どちらもカラー動画ですので、そのリアリティーは、よく目にする白黒のチャカチャカした映像とはまったく別ものです。

まず、昭和10年頃の東京の都市の美しさに驚かされます。
僕の父はもう生まれていましたが、母は翌年に生まれますから、まだ僕の母すらこの世にいない頃の風景なんですね。銀座と、そこを走る車や自転車、人力車、都電の風景、フランク・ロイド・ライトの手による帝国ホテルの荘厳な美しさ。
ナツカシズムではなく、戦前の日本の豊かさをはじめて知った驚きが胸に迫るんだな。逆に言えばまったく僕には懐かしくない。見たこともない風景ですから。だからこそ、驚きながら、過去の日本に感心する自分がいるんです。

その素晴らしい風景を見た直後、爆撃で吹き飛び破壊されつくした日本の都市の風景には、だからこそ胸が痛む思いがします。

どこかで見たことがあっても、比べることで、その変化に気がつくことができる。
こんなところにも覚醒の一歩があるのかもしれません。

1935年(昭和10年)東京の貴重なカラー映像


空襲で破壊された日本の大都市

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