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岩手大学で教鞭をとる友人の佐藤竜一君の主宰する「宮沢賢治・通信」に一文寄せることになりました。
『星めぐりの歌』
作詞作曲・宮沢賢治
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだめの 小いぬ
ひかりのへびの とぐろ
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて
イーハトーブがエスペラント語で「岩手」を意味すると知ったのは、岩手を離れ東京に出てきてからでした。
賢治の精神を辿ることもなく僕の青春は過ぎ去っていきました。
しかし、心ある友人のお陰で、僕はいつも生き直すことができている。今日も小さな原稿を書きながら、もう一度僕の原点に立ち返っていたような気がします。その意味で、友人達や家族や周りの人々に感謝、ひたすら感謝です。
賢治という人は、いろいろな苦労もしたけれど、感謝した人でしたね。
昔、物理学者のアインシュタインは「人は地上に立ち寄った旅人」だと言いました。すなわち、人生とはほんのわずかこの地上に立ち寄った期間に過ぎないということ。だからこそ、人生は愛しいものだと言いたかったに違いありません。そこにも、この地上に存在し得たことに対する感謝がありました。
まず、ありがとう!から始めれば、僕らの人生は突如輝き出すんじゃないかな。
人生の意外なほどの短さに気がつけば、今日一日はかけがえのない時間でした。そして、明日もあるとすれば、それは人生のたった一日。
この地上にあることを喜び感謝したいものです。
星めぐりの歌は、はかない人生と宇宙の永遠をひとつの歌の中に解け合わせた名作だと僕は思うな。
『星めぐりの歌』宮沢賢治
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