2008年10月3日金曜日

バクーニンを読む


今日も午前中の曇り空からうって変わって、もうすぐ正午になろうというこの時間には、空は秋晴れ、青空の中にポカンと雲が浮いています。仕事部屋の窓から柔らかい日差しが射し込んできます。しばらく続いたぐずついた天気もこのあたりでちょっといい感じだな。

この夏は仕事の合間にバクーニンを読んでおりました。
この右でも左でもないアナーキストの言葉に何度も励まされましたが、それ以上に、バクーニンという人が時代の中で、冷静にイデオロギーの推移を見つめていたことがよくわかりました。

ひとつだけ。
いずれエッセーに書こうと思いますが、1973年に白水社から刊行された『バクーニン著作集』の第六巻に現在にも深く関係している記述があります。
「マルクスとの個人的関係」と題されたこの小さな文章には、世間的にはほとんど話題にされることのない共産主義の先導者であるマルクスと銀行家であり資本家であるロスチャイルドの関係について分析的に書かれています。この左と右の頂点にある人物たちが、実は価値観や利害関係では完全に一致していたという記述です。僕にはこれはとても重要な分析であるように思えます。何故なら、真っ向から対立する図式、しかも長年にわたって存在した対立軸が、実は捏造されたものであるかもしれないからです。実際左も右もまったく対立してはいないのです。最終的に行き着く先は全体主義的な体制に他なりません。そして今は、冷戦後の新たな対立軸としてイスラム過激派とテロが出現しました。テロとの戦い。いったい我々は誰と戦っているんだろう?図式は時代が変わってもまったく同じであることに気がつきませんか?

興味があったら、古い本ですが一読をお勧めします。

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