池袋のシアター・グリーンにて、舞台「“P”s」を観る。
BC級戦犯を描いた作品で、若い俳優たちが可能な限り想像力を使って、かつてこの世界に存在した若者を演じる。
僕自身が戦後世代であって、戦争の本質は永遠にわからないのかもしれません。
でも、想像力が過去に近づかせてくれる。僕はそれだけは信じている。想像力と創造力を。
不当な裁判で不当な形で死を受け入れなければならない戦犯と名指しされた者は、どのように現実を受け止めていったのだろうか。この問題は今も変わらず、まさに変奏曲のように繰り返し語られながら、決して色あせることがない。
「反戦」を口にすることは容易いが(少なくとも今の日本においては)、反戦は追体験と共感から自ずと生じる感情だろうと思います。理想論としての反戦よりも、想像力として戦争を追体験した方が、よっぽど反戦的行為ではないだろうか。
演劇とはその契機に他ならないと思うのです。
演劇はすべてを描くことはないし、描けない。
観客が補うのである。共有された空気が補うものなのだと思う。
その意味で、今夜の二時間は「追体験」という貴重な時間でありました。
誘ってくれた出演者の俳優・高杉瑞穂君に心から感謝です☆ありがとね!!
皆様ももしお時間がありましたら、劇場まで足をお運びいただきたいと思います。よろしくお願いします☆
<公演情報>
「“P”s」
脚本・演出 : 合馬 百香(劇団め組)
出演 : 高杉 瑞穂 早田 剛 郷本 直也 仲原 裕之(Studio Life) 桑野 晃輔
/ 曽世 海司(Studio Life)
あらすじ :
昭和二十二年夏、東南アジア某刑務所。
その一画には、戦犯死刑囚を収容するPunishment Hall、通称Pホールがあった。
死刑囚達は、このPホールに隔離され、刑執行を前に比較的穏やかな日々を送っていた。
しかし、その胸には、囚人(Prisoner)を表すPの縫取り。
そんな中、彼らの世話をする教誨師は禁止されている死刑囚の遺書を日本に持ち帰る事を決意する。
遺書をしたためながら、死刑囚たちの心も少しずつ命の意味を見出し始める。
PホールにとじこめられたPrisonerとしてではなく、胸のPにはきっと別の美しい意味があるのだと・・・・。
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