2006年6月12日月曜日

僕らのいる場所

僕らはどこにいるのだろう。 
場所。空間。集団。組織・・・。

だが、僕らは決してどこにも所属することがないのである。
生活の基本単位であるのはずの家庭ですら不変の場所にはなり得ないのだ。

僕らの祖先から繋がる家族を想像してみる。
祖父母の時代、父母の時代、そして僕らは父母の家を出た。
僕らに家族ができる。妻がいて子供たちがいる暮らし。しかし、それは不変ではない。
やがて、子供たちが家を出るだろう。
僕ら夫婦のどちらかが、おそらく先にこの世を去るだろう。
そして、一人になる。

家庭ですら、不変の場所にはなり得ない。僕らはどこまでいっても一人だ。
まして人生で関わりを持つ組織も場所も、ある時期の場所の共有体験に過ぎない。

僕らは場所に対しても一期一会なのだと強く思う。
だとしたら、今この瞬間を共有する場所がいとおしく思えてくる。
それは二度と戻ってはこないから。
それはたった一度の経験だから。

こうして僕らは僕らの場所で日々を暮らしている。
苦しいこと、悔しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、すべてがここにある。

僕は君とここで出会ったんだ。

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