2012年9月10日月曜日

大人の音楽☆

 
昨夜、渋谷のライブスポット『七面鳥』にてライブを楽しみました☆

ちょいとブルースな夕べ vol.4
Elli(vo/ukulele)+ 岩田浩史(guitar/vo)+加藤MAA(guitar/vo)
at 渋谷・七面鳥  http://www.7mentyo.com/accesscontact.html

僕にとって芝居と同じ重さで音楽が存在しているのですが、成熟ということを最近よく考えます。
実はね、シェイクスピアという劇作家の劇作りの生涯のテーマが「成熟」であったのでは?という説があるんですね。

このブログにもかつて書いたのですが、作家ミラン・クンデラの「小説の精神」の中で語られてる「幼い老人の惑星」という人間特有の成長不良の問題は現在もなお静かな大きな問題として、僕らの日常生活にはあるのでないかな、と思っています。
僕らはきちんと歳を取れない。しっかりと成熟できないでいる。大人になることをますます厭がっている。いつまでも若くいたいと諦めきれずにいる。
しかし、僕らは確実に年齢を重ね、大人になる。
そして、やがて確実に、此の世を去る。

昨夜の音楽にはそんな「成熟」がありました。

年齢を重ねることを拒否した子供じみたやんちゃではなく、大人のそれ。つまり、生と死を理解しつつ今を楽しむという姿勢、がありました。

音楽というのは、そもそも演劇以上にその場限りで刹那的な芸術形態です。
でも、だからこそ、良い諦めと良い集中が必要になる。
そして、それは大人になることで、より一層醸し出される味わいが深くなる。まさに「一期一会」の侘びと寂びですね。

ブルースと言っても、決して定型的な3コードのブルース、なんかではなく、むしろブルースを大人が楽しむ音楽ととらえて初めて広くなるその間口の広さに僕は感激したな!

実は、このユニットのブルースを聴くのはこれで2回目です。
前回は六本木の夜でしたが、今回は渋谷の夜。
ボーカルのElli(近藤エリ)の描いた楽器と七面鳥の壁画をバックに、前回以上に音楽が世界を包んだぜ!

ライブが終わって、七面鳥を出て、周りを見回したら、近所でやっていたミュージカル『ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ 』のお客さんで辺りはごった返していましたよ。
でもね、僕はこの小さなライブの大人の音楽の方が、今は「ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ 」よりいいんだな。

大人の音楽は、いろんなことを潔く諦めさせてくれる。
でも、同時に柔らかで強いエネルギーをくれるんだな。
それは、これまで生きてきた道のりを思い出させてくれたから。そして、これから進んでいく道に光が少しだけさすのが見えたから。
僕は昭和の子供だったし、ロックとブルースを聴いてきた。そしてブギをちょっと。
帰りの電車の中で、自分に聴いてみた。

『少しは、大人になったかい?』

隣で、妻が笑っていた。
よし!僕も、ますます芝居をやって、もっともっと音楽もやろう!ピアノとギターを弾きまくろう☆
少しは、大人になったと思うぞ。
これでも。だめか???



岩田浩史さん(guitar/vo)の「ウーララ~♪」
現在闘病中でもあるギタリストにしてヴォーカリストの岩田さんのこの曲は僕のお気に入り。お身体大切に!
金子マリさんとのセッションも最高!!



加藤MAAさん(guitar/vo)の「それでも人は嘘をつく」
これもいい曲☆どこか北海道の匂いのするブルースマンですね!僕の芝居も見に来て頂いたそうで、感謝です!


そして、Elliこと近藤エリさん(vo/ukulele)の「ふたりは一雫」
彼女のもうひとつの大切なユニットとがelli+katz+nory です☆このウクレレユニットがまたいいんだな!
僕は昔から「エリコ」と呼んでいるので、エリコでいくけど、彼女はミュージッシャンであると同時に良い女優なんだ。
でも、核になっているのは音楽であることに間違いはない!

0 件のコメント:

Powered By Blogger