ゴアがなんと言おうと、地球が温暖化しているはずはないのですが、今年の夏は厳しい暑さでした。
そんな夏もいよいよ終わりそうです。
季節が巡るのは本当に素晴らしいと僕は思います。
そこで、IZ。
イズラエル・カマカヴィヴォオレ(Israel Kaʻanoʻi Kamakawiwoʻole)という歌手がかつてハワイにおりました。
体重なんと340キロ!!
その体重が仇となり、38歳で亡くなりました。
でも、彼の残した音楽は今もなお活き活きと輝いています。
彼のことを知ったのは数年前に、我が弟からCDを頂いたのがきっかけでした。すでに亡くなったとは聞いていましたが、その見かけの大きさとまるで違う、予想もしなかったような「天使の歌声」に魅せられました。
亡くなってハワイの海にその遺灰が撒かれた彼は、僕より一歳若かったんだな。僕が39の時、彼は38でこの世界を後にした。
人生は果てしなき旅だから、この世界を去った後、彼はまた新たな旅の途上にあるのだろうけど、僕はまだしばらくこちらの世界にいるつもり。それには残された彼の歌が必要だと思っている。そこにあるのは生の喜びそのものだから。こうして生きて死んでいくことがかけがえのない体験だと思わせてくれるから。精一杯生きることしかないと教えてくれるから。人をだまそうがだまされようが、人生は一度きりだと気づかせてくれるから。だからこそ、この一回の人生を台無しにしたくないとつくづく思わせてくれるから。
そうだ。
生を考えることは、死を考えること。
死を考えることは、生を考えること。
文学も音楽も演劇も、すべて一度きりの人生の光と闇を伝えようとしているんだ。
だから、遠いハワイで歌われたIZの曲は今日も聴く者の魂に深く語りかけてくるんだよ。
夏の終わりに、僕はIZの音楽を聴いている。
イズラエル・カマカヴィヴォオレ(Israel Kaʻanoʻi Kamakawiwoʻole)
“ Somewhere, over the Rainbow”