Phantom of the Paradise: 1975
と、言っても本物の悪魔の話じゃありません。
亡霊といってもいいし、怪人と呼んでもいいでしょう。有名な「オペラ座の怪人」のお話しです。
「オペラ座の怪人」の怪人と言えば、今ではすっかり劇団四季の舞台が定着していますが、ロイド・ウェッバーのこの作品を僕は九十年代にロンドンで初めて観ました。古い劇場の雰囲気と相まって最初に落ちてくるシャンデリアのシーンから舞台にすっかり引き込まれたのを覚えています。
その時、僕の頭の中では、1977年頃に大塚の名画座で観た「ファントム・オブ・ザ・パラダイス」がよぎっていました。
この作品こそ、白黒のホラームービーの古典にすぎなかった「オペラ座の怪人」を初めてミュージカルにした、それもバリバリのロック・ミュージカルにした最初の作品だったんだな。ブライアン・デ・パルマの隠れた傑作のひとつです。
今では完全にカルト・ムービー化しています。
モノクロのホラーから出発した「オペラ座の怪人」は原作の小説があり、その原点はどうもゲーテの「ファウスト」らしい。つまり、この基本のストーリーは美女と野獣の系譜であり、同時に悪魔に魂を譲り渡したファウストの系譜なのです。
物語の進化の過程を垣間見ることのできる貴重な作品でもあります。
これらの一連のファントムものの中で、僕が特に気に入っているのが、映画の「ファントム・オブ・ザ・パラダイス」なんです。
不慮の事故で顔と声を失ったロック・ミュージシャンをウィリアム・フィンレーがもの悲しくも奇怪に演じます。彼の恋するヒロインをジェシカ・ハーパー。彼女はいつかご紹介しますが、近年では「マイノリティー・レポート」で初老の女性を演じて健在です。彼女の歌がいいんです。そしてスワンという悪魔に魂を売ったプロデューサーをスリー・ドッグ・ナイトの作曲者で有名なポール・ウィリアムズが演じるという完全なロック・ミュージカル仕立て。
ちなみに、宮崎駿さんの「ルパン三世ーカリオストロの城」の悪玉マモーはこの映画の彼、ポール・ウィリアムズがモデルだと思うよ。
その意味でもいろんな所に確実に影響を与えている作品なんだよね。
どうしてこの作品を、舞台で未だに誰もやらないのか不思議なほどです。
いつか、僕はやりたいですけどね。オリジナル以外でやってみたい作品のひとつです。
中でも、未だに忘れられないシーンはリハーサルの時のビーフというロッカーの場面。
ゲリット・グレアム演じるビーフのハレンチぶりは、当時のグラムロックやハードロックの持つある一面を映し出し笑いが止まりません。最高のシーン☆かなりの脱力ぶり。。。
最初から最後までロック魂がクライマックスだぜ!?
“ Phantom of the Paradise ” Movie Clip
BEEF Sings!!!
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