オリーブの午後-大滝詠一:1982
♪
青い葡萄を口に投げ入れたら
海に浮かぶ岬まで走ろう
これで二人きり
うるさい奴等をまいて
君は葉陰で水着に着換えるし
灼けた肌を太陽が見てるよ
夏の妖精が
ビーチへ駆けおりてゆく
いい景色だね
泳ぎ疲れたら
海の見渡せる丘で・・ちょっと うたたね
オリーブの樹にもたれたら
空を見ながら うとうとと・・
何もいらないよ
君が横にいればいい
丘の斜面にはライムの花とクローバー
時を抱き寄せて
海はコバルトに光り
君を照らした
何もいらないよ
君が横にいればいい
丘の斜面にはライムの花とクローバー
雲の帆船が空をゆっくりと滑る
君の寝顔にみとれてもいいだろう ♪
お恥ずかしい話ですがぁ、この曲が巷に流れていたころ、僕は青春真っ盛り、夏といえば湘南海岸か千葉辺りで友達や女の子たちとブイブイ暑い夏を過ごしておりました。。。。
ちょっとバブリーな時代でしたが、夏はやっぱり海だったなぁ。。
僕自身はバブルの恩恵など微塵も受けた覚えはないけどね。
ああ、でも大滝師匠の曲を聴くと、それはもうサザンとは別の意味で、海、です。
大滝師匠の音楽は八十年代の良質な作品群だと思われます、当たり前ですが。それ以前の様々な音楽のパスティーシュの傑作ともいわれている大滝作品ですが、ここにもエピゴーネンの光があったんだな。
で、この頃の日本映画はというと、う~ん、角川をはじめ商業的な映画作品は沢山ありましたが、今の日本映画にある味わいみたいなものがまだ現れてはいない過渡期だったと思います。ATGも末期だったしね。
八十年代は音楽の時代だったような気がします。
そして、九十年代に入って、バブルがはじけるのと同時に映画も音楽も冷え込みはじめる。
勿論、そんな中でも、独自の世界を切り開いていった人々はおりました。
元々は「はっぴいえんど」の人だった大滝師匠は、実は時代と無関係に好きな音楽に取り組むというその姿勢故に「古びる」ことなく、いまもなお、人々にパスティーシュに溢れた美しいメロディーを届けているんだと思う。
どうしょうもない馬鹿みたいな八十年代だったけど、この曲の「夏」を、僕は忘れない。
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