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2007年9月21日金曜日

幸福


"How simple and frugal a thing is happiness; a glass of wine, a roast chestnut, a wretched little brazier, the sound of the sea.....All that is required to feel that here and now is happiness is a simple, frugal heart."
                                By Nikos Kazantzakis "Zorba the Greek"

ゾルバはギリシャ人の漁師であった。ゾルバには学はなく、金もなく、地位もなく、ただ激しく静かに燃える生きる力だけがあった。作家カザンツァキスがゾルバから授かったのは、姑息な知識なんかではなく、熱い血のたぎる、魂の目覚めた言葉、知恵そのものだった。いつか何処かで読んで欲しい!「その男ゾルバ」これは間違いなく今世紀の傑作のひとつである。

「幸せってやつは案外素朴で質素なもんだ。一杯のワインや煎った栗、つまらないちっぽけな真鍮細工、それから、海の音・・・今ここで幸せを感じるのに必要なのは、単純で、物を欲しがらない心。それだけさ。」
                                ニコス・カザンツァキス「その男ゾルバ」

ゾルバには特に何もなかったが、幸福な男だった。それは、小さな幸福の瞬間を数多く持ち合わせることが出来たからだ。人は何かを得ると、もっともっとと求めるものだが、その欲求には際限がない。人は金や地位や名誉を求めることで、実際は「安楽」をもとめているのではあるまいか。だが、安楽は幸福と同義語ではないのである。不思議なことだが、安楽を求め始めると、果てしなく現在が不安になってくる。人が不安なしに生きるということは、元来あり得ないはなしだが、少なくとも幸福でありたいと願うなら、一刻も早く安楽の追求から抜け出るべきなのではないだろうか。
ゾルバはこんな事も言っている。

"Life is trouble," Zorba continued."Death, no. To live - do you know what that means? To undo your belt and look for trouble!"

「生きるってのは難しいやね」とゾルバは続けた。「死ぬからかって?いいや、そうじゃない。あんた、生きるって事がどういうことか判ってるんかね?生きるってのは、腰のベルトを締め直し、困難を探しに行くことだ!」

人が自分の人生を生きるということは、小さな幸せに心をふるわせる事の出来る繊細さと、困難だらけの日々に船出する勇気を持つことなのだ、と僕は思っている。ふと、眼を開けば、すぐそこに喜びと幸福が転がっているのである。そして、勿論その隣には困難が待ちかまえている。
これが僕らの人生だ!
だから、人生は最高に楽しいんだぜ!

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