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2007年9月17日月曜日

電車の中のエラい人々


勝ち組なんていう下卑た表現が一般的になって数年たつが、至る所に勝ち組はいるな。
電車の中で、出口に居座る奴。
電車の中で、出るとき突き飛ばす奴。
電車の中で、足を広げて座る奴、あるいは足を伸ばす奴、または足を組む奴。
電車の中で、荷物を脇へ置いてどけないやつ奴。
電車の中で、つめない奴。
電車の中で、人に寄りかかって眠る奴。
電車の中で、優先席に寝てる奴。
電車の中で、混んでるのにつり革二つ掴んで仁王立ちしてる奴。
電車の中で・・・・・・・・。
この人たちは、少なくとも電車の中で勝ち組である。
みなさん、エラすぎます。

今時の若い奴という言い方を耳にすることがある。
しかし、今時というのは何も若い人間に限ったことではないのではないだろうか。
今時とは、同時代を共有するすべての人間に当てはまるのであり、年齢は言うに及ばず、性差も、国籍も関係ないのだ。
この時代を共有するあらゆる人間の箍(たが)が緩んでいるのであって、電車の中にも勝ち組はゾロゾロいると思うぞ。とにかくエラい人々が。
なにゆえそんなにエラいのだ?

うまいことやって金儲けした奴だけが勝ち組なのではない。
普通の、平凡な暮らしの中で、人でなしの態度を平気でとれること。
それが、まさに勝ち組の態度なのだと思うよ。
老いも若きも、勝ち組になりたいんだろうな、どこかで。

俺は、その点では、完全に脱力系である。
俺はとても勝てない。

『亀は意外に速く泳ぐ』という脱力系の映画がある。
勝てない連中の脱力した姿が、ホノボノと描かれている。
どいつもこいつも全篇脱力しっぱなし。その中で、潜伏したスパイであるがゆえに、腕の良いラーメン屋なのに、15年間「そこそこのラーメン」を作り続けてきた男というエピソードがある。目立ってはいけないスパイの宿命である。
本来なら、きっと目立つこともあっただろうに、それを諦め、ぎりぎりのところで「そこそこラーメン」を作る、というところにそのキャラクターのプライドを感じるのである。
微妙だな。

プライドは超個人的なものだよ。
プライドがあるから、勝ち組などという所から、一抜けたするのだと思う。
肩肘張って、勝とうとすればするほど、実はプライドから遠のくのである。実はエラくはない。

俺の思う真のプライドは、流れに逆らわず、かといって情に流されず、それでいて我を通すことから一歩退くことかな。
まぁ、電車の中では譲り合いってことではないでしょうか。
ちがうか?


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