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2007年9月16日日曜日

ドゥーアップじいさん

我が家の前の道をよく通る老人がいる。

通称「ドゥーアップじいさん」。妻が名付けた名前である。本名は知らない。
ひょろりとした細身の身体を、ヘッドホンのリズムに合わせ、全身をゆすり歩きながらドゥーアップしている。なんなんだあれは?あのノリはなんだ?
あれはどう見ても、ロックでもジャズでもヒップホップでもない、ドゥーアップなのだ。

太陽の照りつける昼日中、ドゥーアップじいさんは今日もiPodの音楽に合わせ歩いていく。

シュビドゥビ、ドゥビドゥバッ!
ドゥビダバ、ドィビッバッバー!

近くの小学校で、町民運動会が開かれているので、参加するのかもしれない。パン食い競争か?
いや、彼はプロだ!今夜のステージのために身体をほぐしているのかもしれない。
あるいは、CM出演が決まってその振り付けを覚えているのかもしれない。新型iPodだったりして。
おっと、孫と行く今夜のコンサートが待ちきれず、身体が勝手に動き出したのかもしれない。

ドゥーアップじいさんは今日も行く。
窓の外に彼の姿を見ると、つい脳内妄想してしまう自分がいる。

やがて、遠ざかる後ろ姿を見ながら思う。
結局はドゥーアップしているもんが勝つ、と。
シュビドゥビ!


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