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2010年11月29日月曜日

テレビドラマってやつ


あまりこのブログではテレビドラマについて語ってこなかった気がするので、これからはもう少しあれこれ語ってみたいと思います。

それは何故かと言えば、最近こんな記事を見たからです。
ある雑誌記者の話らしいのですが、「・・・『Q10』というドラマがありますが、一部で脚本家が良いので期待なんて言われてるけど、この脚本家が何年も前にヒットさせた『野ブタ。をプロデュース』はアイドル達のお陰でヒットしたに過ぎないんだよね・・・」

人々のテレビ離れが言われはじめ、軒並み視聴率が下がり続けるテレビ業界の中にあって、ドラマがより一層険しい時代に入っているように思えます。次々と量産される作品はまさに消費されるために創れらる、そんな感じです。

でもね、良いドラマもあるんですよ☆ほんとに。
『木更津キャッツアイ』『タイガー・アンド・ドラゴン』、最近では『MOTHER』・・・本当は挙げだしたら切りがないほど良質のドラマはあるんです。良いものもダメなものもごちゃ混ぜのまま、視聴率で判断されたり、アイドルが出ているから「軽くてダメ」などという評価が繰り返しマスコミの紙面を飾り、小馬鹿にした言葉が踊るんですね。

僕は、もう何年も前に放送された『野ブタ。をプロデュース』が大好きです☆

このドラマはオンタイムでは最終回しか観てませんでした。たまたま最終回を観たとき、あまりの出来の良さに衝撃を受け、DVDで見直したのでした。その後DVDも購入しましたよ。原作も読みました。
原作の斜めに少し歪んだ感じをドラマでは、良い具合に調整し、高校生の恋愛ドラマになりそうなのをあえて捨てて男女の友情物語に昇華させました。脚本も演出もベストです!青春期が決して輝き美しい季節だなんて描かなかった所、にもかかわらずあえて偽悪的も描かなかった、「孤独」を観る者に感じさせる所が、他にはない深みがそこにあった。これは脚本の勝利であり、演出の勝利であり、若い俳優達の挑戦の勝利だったと思うんだな。決して油断して観ていてはいけないと思うんです。

にもかかわらず、アイドルが出たからヒットしたなどという知能の欠片も感じないコメントをする雑誌記者!馬鹿者が!!こういう馬鹿者達が日本の演劇、映画、テレビドラマをダメにしているんだと心底思うよ。

木皿泉という脚本家は素晴らしいと僕は思うな。
この後の『セクシーボイス&ロボ』というドラマも孤独な少女とオタク青年の物語で秀逸でした。不幸なことに一回だけ実際にあった事件とかぶるという理由で欠番になった回があったのですが、それもまた放送という世界に蔓延る「自粛」の犠牲になったのだと思います。是非観たかったなぁ。自粛なんかするなよ!ドラマと現実はまったく別物だって!何でそんなことがわかんないんだろなぁ~あああ!

そして、現在放送中の『Q10』。これもなかなかいいんだよ。時々抽象化しすぎて観念に入り込むところが今後どう展開するのか気になるところではありますが、今回は特に青春期の「死」を扱っているところが、やっぱりエライ☆
十代は「死」の観念に囚われている時代かもしれない。それから、あの頃ってやっぱり寂しい年頃だったんだぜ。若さって不自由なんだよな。
忘れていた大人も、ボンヤリと己の十代を思い出すかもしれない。
「あなたの青春はどこにありましたか?」
そして、
「あなたは、あの頃、どこへ行こうと思っていたのですか?」

この作者のドラマは絶えず僕たちにそんな問いを突きつけているんだぜ☆

『野ブタ。をプロデュース』から「真夜中のギター」の場面:

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