リンダ・リンダ・リンダ:2005
高校生がシンクロしたり、ジャズやったり、んで、パンクかよぉおお!
な~んて思う大人にはなりたくないものです。
なぜなら、まさにこの映画で語られるような高校生活はそこら中にあっただろうし、今もあるはずだから。その意味では照れくさくて観てられないぐらいな感じだけれど、主人公は四人の女子高生。男同士でも、想い出バリバリの文化祭、女の子でパンクバンドのコピーときたら、それはすっごくはげしく燃える記憶になるに違いない。だって、彼女たちは自分も含めて、世界中のクズどものために歌うことに決めたんだから。
だれでも生きてりゃ大人にはなります。
問題は、どう大人になるかだと思うよ。
このクソッタレな世界のために終わらない歌を歌おう☆
この映画は実は、これがテーマなのだ。
明るく楽しい想い出映画などではない。
僕たちは、もれなく十七歳でいったんこの世界に絶望すべきなんだ。
絶望が足りないから、中途半端に虚勢を張り、中途半端に人を見下し、中途半端に揚げ足を取り、中途半端に失望する。
中途半端に失望するぐらいなら、完全な絶望を味わう方がはるかにいい。
これ以上先が見えなくなったとき、本物の闇に覆われたとき、人ははじめて、自ら覚悟を決めて歩き出すことができるんだ。漆黒の闇こそどこまでも続く未来へのブラックホール。そこを通るしか、予測不能の未来へは歩き出せない。
だから、
このクソッタレな世界を、しっかりとクソッタレと受けとめよう!
この映画に登場する雨に髪を濡らして、鼻をすすりながら演奏する女の子達は、本当にクソッタレをどこかで感じているような気がするぜ。たとえそれが演技であっても、どこか演技を越えているような気がする。青春は男も女も、かような具合にみっともなくも美しく、愛しい。
クズどもよ!聴け!
娘たちの歌うブルーハーツを!
「リンダリンダ」
「終わらない歌」
「僕の右手」
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