2009年1月4日日曜日

路地裏


今日は五月の公演に出演する俳優とモデルになった西荻窪のアパート跡を訪ねてみました。
羽目板張りの昔ながらの塀の細い路地裏にその建物が姿を変えて建っておりました。
この細い路地を、三十年前の僕は何度も往復し、泣き、怒り、そして笑って暮らしていたのだなぁ、と今更ながら思います。
その頃はまだ生まれていなかった若い俳優と、共に同じ空間を共有しているのが不思議な感じです。
恐らく、共感とは時代も場所も越えて在り得るのでしょう。
むしろ、その時代を生きた人間の方こそ、簡単に忘れ、共感を失ってしまうことがあるような気がします。
意識的にならねばなりません。
それは僕自身、記憶喪失の裡に暮らす可能性があるからです。
あの路地裏から始まったことを忘れまい。

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