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2010年11月18日木曜日
劇場のイドラについて
フランシス・ベーコンのイドラという概念があります。アイドルの語源ですけど。
四つのイドラのうち「劇場のイドラ」を考えてみたい。
これは、高校の倫理の教科書でも説明されている通り「伝統や権威を無批判に受け入れることによって生じる偏見」ということです。
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(Wikiより引用)
イドラ(idola)とはラテン語で偶像の意味。フランシス・ベーコンによって指摘された人間の偏見、先入観、誤りなどを帰納法を用いて説いたもの。アイドル(idol)の語源である。4つのイドラがある。
1. 種族のイドラ…感覚における錯覚であり、人類一般に共通してある誤り。
2. 洞窟のイドラ…狭い洞窟の中から世界を見ているかのように、個人の性癖、習慣、教育によって生じる誤り。世間知らずの意もあるらしい。
3. 市場のイドラ…言葉が思考に及ぼす影響から生じる偏見。言葉や言語が引き起こす偏見。口コミなどが挙げられる。
4. 劇場のイドラ…思想家たちの思想や学説によって生じる誤り。思想家たちの舞台の上のドラマに眩惑され、事実を見誤ってしまうこと。
この4つのイドラを取り除いて初めて、人は真理にたどり着け、本来の姿を取り戻すとベーコンは考えた。
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フランシス・ベーコン自身はシェイクスピアだったとか噂があったり、冷凍の実験中に風邪ひいて死んじゃったとか、政治的に汚い奴だったとか、まぁいろいろ言われているわけですが、例えばこのイドラ論などは忘れてはいけない彼からの大切な贈り物だと思われます。
現在、様々なところでよく耳にする「メディア・リテラシー」などという言葉は「劇場のイドラに惑わされるな」ということなのだと思う。
ここ三十年ぐらいの間に、マスメディアがほとんど真実を伝えなくなった、というのは僕の思い過ごしですか?
ネットが普及した現在、日々様々な嘘やまやかしが暴露されているのですが、にもかかわらず、恥知らずなことにますますあからさまな嘘が日夜垂れ流されているんですね。
もはや僕らが学ぶ理由はひとつしかありません。
権威や権力が発するデタラメを真に受けることなく、自ら判断し選択する人間になること。
学びはそのためにある。そして、それが切実さと遊びが混じり合っていれば、なお結構☆
つまり、自分を探すのではなく、自分という主体を創り出すことなんだ☆
信じる前に、鵜呑みにする前に、まず疑うこと。
国が発表したから、専門家が言ったから、テレビで言ってるから、ネットで話題だから・・・・全部疑おう。
それには学びが必要なんだ。生涯にわたる学びがね。
劇場のイドラは今この時代にこそあらゆる場所で生み出されている「怪獣」なのだと、僕は思うよ。
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