映画『私のなかの8ミリ』舞台挨拶&トーク:大鶴義丹さんと高杉瑞穂君
とてもとても愛すべき映画に仕上がっていました!
主人公の女性の「後悔」の物語。
でも、幻影のように彼女と旅をするかつての恋人に前へ進むことを教えられる。
旅が自分自身に対するレクイエム(鎮魂歌)になり、別れは明日への路となる。
後悔が、やがて希望になる瞬間を静かに見つめる物語。
静かな左側に海を見ながら走る日本海側の風景と、巨大な風力発電の風車が回る風景、そして緑のなかを二台のバイクが走る。
とてもリリカルな物語を映像がバックアップしてる、そんな感じがしました。
出演者とスタッフとがとても息があって楽しんで制作している様子が見えました。
それも、この映画の持つ雰囲気の良さかもしれません。
上映前に監督の大鶴義丹さんと主演の高杉瑞穂君とちょっとお喋り。
お二人とも和気藹々として、映画作りがほんとに楽しかったんだなぁと感じさせてもらいました。
終了後のトークでは三十分以上に渡って、裏話や映画やドラマに対する意識や姿勢などを語ってくれました。
その中で、印象に残った一言は、お二人がそれぞれの言葉で述べた「映画はテレビより舞台に近い」ということ。
僕も同感です。
映画は劇場で上映されるもの。テレビも良いけれど、テレビの立ち読み感覚は映画や舞台にはありません。時間限定で客席にお金を払って拘束される映画や舞台は観る側にも、ある種の覚悟と責任を問うことになります。恐らく、そうやってはじめて集中した「観劇」という行為が生まれるのでしょう。無意識にテレビも映画も舞台も、すべて同じ芸能だろうと思ってしまうかもしれませんが、実はジャンルが違えば全く異なった表現媒体(メディア)なのだと思います。
そんなメディア論もお二人は語ってくれました。
まったく同感だな。
そして、大鶴義丹さんが自分の仕事を「芸能」ではなく「芸ごと」と呼びたいと仰いましたが、それもいい表現だな、と思いました。
さわやかな映画と有意義なお話し。
とても意味のある二時間を過ごせました。
お二人ともありがとう!!!
☆上野火山☆「私のなかの8ミリ」の音楽を担当された望月衛介さんの音楽を一曲☆
望月衛介/DIVE INTO THE PAST TIME
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