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2009年9月6日日曜日

My life without me

My life without me:邦題『死ぬまでにしたい10のこと』2003年
カナダ・イタリア合作


ふたたび夏が戻ってきたような暑さですが、お元気ですか?

今、いくつかの仕事を相変わらず並行してやってますが、夏が終わりかけた頃からなぜかいい感じでエンジンがかかってきたような気がします。
先日、井上ひさしさんの「人間合格」を、親しくさせて頂いているオーガニック・シアターの公演で観せていただきました。それぞれのキャラクターが外に見える部分以上のものを追求しているのがよく伝わってきました。若き日の太宰治とその周辺の人々の切なくも愛しい日々が語られていました。五月に公演した「見わたすかぎりの青」と不思議にどこか繋がってる感覚があります。偶然なのですが「人間合格」の登場人物には、僕の身近な人々の実名や僕がかつて暮らした場所の地名が驚くほど出てきます。なんだこりゃ?と思うほどのシンクロニシティーなんだな。
とにかく、とってもよかったです!
今日と明日、まだ公演が残っています。もし時間があったらご覧下さい。
「父と暮らせば」も同時公演行っていますよ。

オーガニック・シアターのホームページほこちら☆
公演スケジュール:
場所ー武蔵野芸能劇場(三鷹駅徒歩一分)

9/6(日)12:00~父と暮らせば、15:00~父と暮らせば、19:00~人間合格
9/7(月)13:00~人間合格、19:00~父と暮らせば





さて、今日ご紹介したい映画は「死ぬまでにしたい10のこと」。
小さな小さな映画で、しかも地味、その上展開にもひねりはないし派手さは皆無。
でも、最高の映画だと思うよ!

人は必ず死にます。
金持ちも貧乏人も、男も女も、有名人も無名人も、人格者も犯罪者も、そして、老いも若きも。
この映画の主人公アンは17歳で結婚して、娘が二人いる23歳。夫は失業中でトレーラーハウスで暮らす彼女は生活を支えるのでやっとの状態。
そしてある日、仕事場で倒れた彼女は自分の余命があと二ヶ月であることを知る。
家族が寝た後、そっと抜け出し、ファミレスで悩むアン。
でも、不意に死ぬまでにやりたいことをやってみようという気になってくる。そしてリストをつくる。
 <死ぬまでにしたい10のことリスト by Ann>

1 . 娘たちに毎日「愛してる」って言う。
2 . 娘たちと夫の気に入る新しいママを見つける。
3 . 娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
4 . 家族でビーチに行く。
5 . 好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
6 . 思っていることを話してみる。
7 . 夫以外の人とつきあってみる。
8.  誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
9 . 刑務所にいるパパに会いに行く。
10. 爪とヘアスタイルを変える。 


この項目を彼女はひとつずつ実行に移していく。
自分の死を意識しながらこんなに強く生きられるだろうか?という疑問も多い。そして、どうせ映画だったらもっと派手にやった方がいい、という話も聞く。
でもね、そのどちらも違うと僕は思うよ。
彼女は強いんじゃない。強くありたいと願っただけだ。人生時間は派手なはずがない。でも、大きな変化じゃなくちょっとした小さな変化が人生に意味を与えてくれるんだと思う。

この映画はカナダとイタリアの合作です。
近年ハリウッドで似た趣旨の映画が作られました。「最高の人生の見つけ方」2007米がそれ。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという豪華ラインナップで送るハートフル・コメディーということで、死を宣告された大金持ちの老人二人が残された余生で何ができるを考えるというドラマ。つまり、「死ぬまでにしたい10のこと」とドイツ映画「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」(日本でリメーク)を足して2で割った上に、ど派手にした作品って感じ。ヒットしたようです。
でもね、
僕は「死ぬまでにしたい10のこと」や「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」の方を支持します。「伝えたいことがあって」作られている作品と「売らんかな」で作られている作品を、たとえ似たテーマであっても、明確に区別したいと思う。
それは似て非なるものである。
その意味で、この映画「死ぬまでにしたい10のこと」が地味だとか、で?なに?といった評価があるとすれば残念でなりません。

こんな映画こそ、大事にしたいと僕は思うよ。
『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』に関しては次回!


映画『死ぬまでにしたい10のこと』予告編

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