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2009年9月16日水曜日

Down by Law


Down by Law
is a
1986 black-and-white independent film written and directed by Jim Jarmusch. It stars Tom Waits, John Lurie, and Roberto Benigni.
The film centers on the arrest, incarceration, and escape from jail of three men. It discards jailbreak film conventions by focusing on the interaction between the convicts rather than on the mechanics of the escape. A key element in the film is
Robby Müller's slow-moving camerawork, which captures the architecture of New Orleans and the Louisiana bayou to which the cellmates escape.

“ It's not where you start - It's where you start again.”
「そこで人生をはじめるんじゃない。そこで、人生をやり直すんだ」

これが映画「ダウン・バイ・ロー」の英語圏でのキャッチコピーでした。
先日このブログで「ストレンジャー・ザン・パラダイス」に触れ、インタビューもご紹介したジム・ジャームッシュのもう一本です。

テーマ曲は、主演のトム・ウェイツによるJockey Full of Bourbon。冒頭からジム・ジャームッシュの世界観をこの音楽が生み出している、そんな感じです。
僕はモノクロームを愛する人間ですが、この映画もモノクロが生きています。笑いとペーソスの割合と配合が絶妙なんだな。
しがないDJをしていたザック(トム・ウェイツ)は酔っぱらってはめられてニューオリンズの刑務所にぶち込まれる。ヒモでうまいことやっていたジャック(ジョン・ルーリー)はやっぱりはめられて投獄された。大した罪もなく囚われの身となった二人は反発し合いながら、もう一人の刑務所の住人ロベルト(ロベルト・ベニーニ)と出会う。
下手くそな英語でフロストの詩が大好きだと言うロベルトはキョトンとした顔でどこから見ても犯罪者には見えない。だが、この変なイタリア人ロベルトこそ(本格的な?)殺人犯だった。
そんなある日、刑務所からの脱走ルートをロベルトが見つけ、三人は湿地帯を彷徨うことになる。。。。

刑務所で出会った三人の男たちの三者三様の人生模様。
おかしくもどこかはかない感じすらするんだな。女と暮らす決意をするロベルト、そして二叉の道で別れるザックとジャック。
「おまえが選べ。俺は反対を行く」とジャック。
上着を交換しただけで、別々の道を歩き出す二人の姿は、まさに友情の一つの形を物語っているような気がします。そして、人生をやり直すんだ。

タイトルのDown By Lawというのは、八十年代ぐらいまでアメリカの刑務所のスラング。
意味は「人はみんな、誰かの親友だ」という意味だそうです。
“DOWN BY LAW・・・originally prison slang, by the mid-80s, it came to mean you were close friends with someone”

三人のトボケたやりとりに、とにかくやられます。延々続いても飽きないと思うな。そんな掛け合いの中に不意に孤独と寂しさが入り込む。笑いは、息づかいになる。人生は可笑しくも切ないものになる。みっともなさが、愛しくなる。
そんな映画です。

ジム・ジャームッシュは「音楽」を愛するが故に、だから一層「言葉」を信じているんだなぁ。


Down By Law:映画予告編


I Scream, You Scream, We All Scream for Ice Cream!
好きなシーンのひとつ。

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