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2009年4月5日日曜日

岩をも通す

BBCで放送された「居合」の特集をアップ。

演劇にも通ずるものがあると思います。

ここで師範が語る言葉は、全て人間を見つめ、人間を描こうとするものにとって意味があると思うんだよな。
たとえば、内股を切るのは、そこに動脈があるから、あるいは、強い思いは岩をも打ち砕く等、興味深い話が続く。僕らの現実と想像力のリアルが試され、実験されているような気がする。僕らはここで語られているリアルから、随分遠く離れてしまっているんじゃないか?

日本の文化を誇るというのは、まさにこういう所にあるんだと思う。
日本は良い国で、今まで悪いことなんかなんにもやってない、などと思い込むことが日本の誇りにつながるわけではない。そんなのはどうでもいい。良いも悪いもない。この国に綿々と受け継がれてきた大切な流れがあるはずだ。
新しさばかりに目がいくうちは、ここで語られることに興味はわかないかもしれない。
でも、大事な大事な指摘が為されていることに気がついて欲しいな。
それは、意志の力が、物質を越えるということだ。金銭欲以外の意志を忘れた時代に、これは貴重だと僕は思うな。刀と向き合うというのは、人間と向き合うのと同じだ。人の精神もひとつの刃だから。
金勘定してる場合じゃないぜ。

恐らくここに描かれている緊張感とリラックスの在り方が、他の文化にはない稀有なものなのかもしれない。



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