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2009年4月16日木曜日

風貌

土門拳 「風貌」

写真家・土門拳の風貌に出逢ったのは、もう三十年以上前になる。
東京で一人暮らしをはじめた頃、僕は書店で、小さいけれどズシッとくるこの本を見つけたのだ。
タイトルは「風貌」

著名人たちのポートレート集。モノクロのポートレートがこれでもかと続いている。

そのどれをとっても、魅力的なんだ。

被写体の個性が強烈だから、とも言えるけれど、それだけじゃない、土門拳という写真家の何か人間の精神をえぐるような視点が、時に優しく、時に残酷に被写体を彫りだす。
歯が抜けてたり、眼鏡をセロテープで補強していたり、全部包み隠さず見せてくれます。

この黄色い表紙の文庫本は、何度眺めても飽きることがなかった。

風貌には一人のイケメンも美女も出てはこないけど、その時代を本当に生きた人々の顔を見ることができます。
イケメンも美女も素晴らしいですが、渋い顔も見ておくべきだな。そして、その渋さと生きた証の顔をぶら下げて僕らも生きていくんだから。そして、時間としちゃあそっちの方がはるかに長いんだから。

興味のある方は一読を☆
昨今のグラビア・ブームとは一線を画す、渋~い顔のオンパーレードです!!
いいなぁ、この本!!

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